ゆめロラについて色彩学的な視点で考察してみる。
劇場版アイカツスターズを観ました。紛うことなき「ゆめロラ」だった。あまりのゆめロラ密度がゆえ、ゆめロラについて考える人が増えたに違いない。私もその一人である。そこで、少しでも参考になればと思い、私の持つ知識でゆめとローラについて考えてみようと思う。※劇場版のネタバレはありません。
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■色彩学の知識を活かして
さて、突然ですが、私は色彩検定2級を所持しております。
色彩検定では「PCCS」という表色系を用いて色だけでなくファッション・インテリア・目の構造などを広く学ぶ。PCCSでは色は色相・明度・彩度の3属性で表現され、 色相を並べたものを色相環、明度と彩度を縦軸・横軸に配置し分類した概念をトーンという。*1
色について、大雑把に以下のような感覚を持っていただければよいと思う。
- 色相は24色に分類される。向かい合う色は心理補色。
- 明度が高いほど白くなり、明度が低いほど黒くなる。
- 彩度が高いほど鮮やかになり、彩度が低いほど淡い色になる。
■ゆめとローラの色とは
PCCSの色相環とトーン図を用いて、ゆめとローラがそれぞれどの色に属するか確かめてみたい。何をもってそのキャラクターの色を表すかには諸説あると思うが、私は頭髪の色とよく着る衣装の色の2つに注目した。
虹野ゆめ
頭髪→ltトーンの7rY:赤みの黄
衣装→ltトーンの24RP:赤紫
桜庭ローラ
頭髪→bトーンの24RP:赤紫
衣装→sトーンの18B:青
これはあくまで私の目と感性での識別であり、あくまで大体の色であるといった点に目をつぶって欲しい。正確な色を測ろうにも参照する画像やモニタ環境によって多少異なるだろうし、次から語る私の考察も大体なものなので、そう、大体でいいのだ。
■色彩学的な視点からみたゆめローラの関係
さぁ、ゆめとローラが持つ色を色相環で結んでみよう(赤紫は同一とした)。色彩調和の理論のひとつに秩序の原理というものがある。色相環を正多角形に分けたときの頂点の色をそれぞれ用いた配色は調和がとれるという。さて、どうだろうか。たしかに正三角形を作っているではないか!
正三角形に見えない? どうか心の目でみてほしい。色相環を三等分した三色配色のことをトライアドという。ゆめロラはトライアド。ゆめロラは色彩学に良い組み合わせというわけだ!
■なぜ、この色なのか
アイカツスターズの本来の対象年齢は小学生低学年の女子。彼女らの好きな色について調べてみた。
やはりピンクは人気が高い。しかし黄色よりも水色が人気らしい。個人的には意外であった。なるほどだからゆめとローラどちらの衣装の水色のフリルがあしらわれているのだろう。また、思いがけずも天羽まどかの人気にも納得がいった。
この人気ランキングから改めて虹野ゆめを見てみるとピンクと黄色と赤と水色で構成されており、女児の好きな色をこれでもかと詰め込んだキャラクターとなっている。髪の毛先にはグラデーションがかかっており、ピンクのジャージや衣装を着たときの調和が美しい。主人公として申し分ないカラーデザインであろう。
このポーズもかわいい。
黄色とピンク、この配色は星宮いちごを踏襲していると思われる。アクセントカラーにはっきりとした赤いアクセサリーをつけているのも共通しているが、もしこの赤がなかったら印象がだいぶ変わってしまうだろう。
赤い”でかリボン”がなければいまいち地味になってしまうし、色彩理論上ではよいとされる青緑をつけてもどこか虹野ゆめのイメージとは違う。ほんの少しの赤が虹野ゆめというキャラクターを際立たせているのだ。
■色は性格を表す
色にはそれぞれが与えるイメージがある。キャラクターデザインの際、性格とイメージカラーは当然すり合わせがされているはずであり、作中ではまだ描かれていないキャラクターに込められたメッセージを色から推測できるかもしれない。
上の図にゆめとローラを無理矢理あてはめたが、キャラクターの色と色のイメージとの関係には「やはり」と頷けるものが多い。私が気になったのは、橙→友情と桃→愛情。橙がゆめで桃がローラだとすると・・・これを踏まえて劇場版を見てみると・・・これは、これは穏やかじゃないわね・・・!!?
■2WingSとの関連
いまさら私が語る必要性はないであろうが、黄色とピンクの配色はアイカツ!の2WingSと同じ構成である。2WingSの成功と失敗を踏まえ、満を持して送り出してきたユニットこそがゆめロラなのではないか。作中を華々しく飾った2WingSと同等、いやそれ以上の可能性がゆめロラにはある。今後のアイカツスターズ!の展開にも期待したいところだ。
以上を持ちまして色彩学の視点から見たゆめロラ考察を締めさせていただきます。アイカツスターズにて明度が高くなった理由、特徴的な瞳の配色、ソレイユの関係、いちあおの完成され尽くした関係などについても考えたり語ったりできる機会があればと思います。